人の家にはその家独特のニオイがあります。
そこに住んでいる本人や家族は気付くことはありません。
しかし他人が玄関に入るとニオイに気づきます。
これは、本人やその家族が、
自分の家のニオイになれてしまったことで起きる現象です。
鼻がそのニオイに慣れてしまっているのです。
また、慣れるとともに、嗅覚が疲れてしまうことも
原因としてあげられます。
そのニオイが強ければ強いほど、
鼻の嗅覚の細胞は、そのニオイに疲れてしまって、
ニオイを感じることがなくなってしまうのです。
これと同じ理屈で、さらにニオイがきついのに、
住んでいる人は無反応なケースは、
ペットを買っている家です。
鼻がペットのニオイに慣れてしまって、
家に漂っている独特のニオイに気付くことがありません。
鼻の嗅覚の細胞が慢性的に興奮して、
ニオイを感じなくなっているのです。
ところが鼻には面白いメカニズムがあります。
自分の家のペットのニオイに気付くことはなくても、
他の家のペットのニオイはしっかり分かるのです。
これは、ニオイによってニオイを感じる嗅覚細胞の
受容器が異なるために起こる現象で、
選択的疲労とも呼ばれています。
たとえば一定の時間に、たくさんのニオイをかぐことを
仕事にしている香水の調香師は、
自分の鼻が香水のニオイをかぐことに疲れてきたと感じたら、
服のニオイなどをかいで疲れをとるそうです。
鼻の機能をもとに戻すのです。
別のニオイをかぐことで、
鼻の嗅覚の細胞の疲れはとれます。
自分の家のニオイを消したいと思うならば、
まずはそのニオイを感じなくてはいけません。
半日ほど家を留守にして家に帰ると
ニオイに気付くと思います。
消臭剤を買うのはそれからでも遅くはありません。
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